リンのハワイ出産日記

日本在住の中国人嫁が日本人夫と力を合わせてハワイで出産するまでの記録

ハワイで出産する理由

リンの夫です。

今回は私たちがハワイで出産すると決めた経緯について。

これは微妙に込み入った話で人に説明する時にいつも難儀するのですが、ざっくり言うと子供に二つの国籍を持たせて二つの苗字を持たせるためです。

まず、うちは日本人(私)と中国人(嫁)の国際結婚で夫婦別姓です。中国の他の地域がどうかは分かりませんが、嫁の実家がある福建省の一部では、田舎だからか自分の子孫に家を継がせる(つまりは家の姓を名乗らせる)ということを非常に重視する人が多く、また一人っ子政策により近年一人っ子同士の結婚が増えたことで結婚の際に将来生まれる子供の第一子は男親の姓、第二子は女親の姓にする、といったような取り決めをする風習が出来ているほどです。嫁の父親(つまり私のお義父さん)も例外ではなく、少なくとも子供を一人は嫁の姓にするように、と言われました。

ただ、もし子供が複数できた時に兄弟で姓がバラバラになるのは何となくイヤだなーと思い、私が婿に入って私も子供もみんな嫁の姓、という方向で検討していました。しかし私の実の父親が、現在日本に住んでいて子供も日本で育つ可能性が高いのであれば、ことさら差別の対象になりかねない中国姓を名乗らせるのはダメだ、と言い出しました。これからの時代そんな了見の狭い差別するような奴はこっちから願い下げじゃ!と一悶着ありつつ、それぞれの意見を納得させる方法を模索することになりました。

そしてある時、子供を二重国籍にできれば全ての条件をクリア出来るんじゃないか、ということに思い至りました。日本も中国も二重国籍を認めていないため日本と中国の二重国籍は出来ないのですが、アメリカは出生地主義のためアメリカ国内で生まれた人間はアメリカ国籍を取得することが可能です。また日本は血統主義のため親が日本人なら子供も日本国籍になります。つまり、アメリカで生まれた日本人の子供は(一部条件付きではありますが)アメリカと日本の二重国籍となります。するとアメリカ国籍は嫁の姓、日本国籍は私の姓にすることが可能になります。ということでアメリカで出産すべく具体的に検討を開始。場所はアメリカのどこでも(あるいは出生地主義の他の国でも)良かったのですが、日本人が出産した情報が多くノウハウが手に入りやすい、かつ気候も良く妊婦がリラックスして過ごせそうなハワイにしました。

もちろん日本での出産と比べて費用面での負担は増えるのですが、うちは結婚式をしていないためその分は多少の手持ちがある。またある程度のリスクは取らないと何も出来ないと考え、ハワイでの出産を決断しました。